倉庫・工場 移転マニュアル ②

4, 新倉庫・新工場の契約


条件に見合った物件が見つかった場合、移転先の貸主と契約を締結します。
双方に不審な点が無いよう、細部にわたった確認が必要です。契約時はお互い納得するまで話し合い、両者合意のうえ捺印する事が重要です。
(契約には様々な確認事項があります。下記はおおまかな流れであり、ほんの一例です)

 入居申込書の提出→重要事項の説明→預託金の支払い→契約書に押印

契約時には下記のような書類を前もって用意しておくとよいでしょう。
■ 入居申し込み書(仲介事業者が用意)
■ 会社の登記簿謄本
■ 会社の印鑑証明書
■ 代表者の印鑑証明書

貸主の承諾後、必要となるもの
 手付金(敷金・保証金の20%以内が相場)
※通常、解約手付け金としての意味を有しますが、状況によります。
 契約書
正式な賃貸契約がこの書類で決定します。

契約書のチェックポイント
◆ 契約形態
賃貸借契約は、従来通りの借家契約(普通借家契約)と、更新がなく契約期間毎の再契約となる定期借家契約の2種類がある。
契約により大規模造作を行う上でのリスクが高くなるため、疑問があれば業者等と相談が必要。
◆ 契約面積
契約書に記載される面積のこと。専用部分を壁芯計算したものを契約面積とするケースと、共用部分を加えて契約面積とするケースがあり、法的な規則は無い。契約時に確認する。
・共用部分を含むか含まないか。 トイレ、駐車場、通路や1階荷捌き場所は?
・単位が「坪」か「㎡」かで賃料の総額が微妙に変わってきますので、確認が必要。
◆ 賃料
通常、振込手数料は借主負担。
入退去月の賃料・共益費は、日割り計算によることが多いが、1ヶ月分を全額支払う内容になっている場合もあるので確認が必要となる。
賃料が周辺相場と著しく釣り合わなくなったとき等は、契約期間内でも協議のうえ改定される場合がある。
◆ 敷金(保証金)
敷金や保証金などは本来預かり金です。解約した際に返還される時期、地域やオーナーによっては敷金の償却(敷引)があるので、その場合敷引がある場合どのくらいの割合なのかも事前にチェックが必要。
◆ 原状回復
契約終了時に入居していた物件を原状回復する義務を負うのが一般的です。壁や天井、床仕上げ材の塗装、張り替えなどを行い、その費用を負担することが多いが、工場・倉庫の場合特に入念な打ち合わせが必要。また原状回復の範囲を契約書で事前に確認する。
・入居時に原状をデジカメなどで記録しておくと良い。
・アンカー処理、防塵床塗装、空調機、残置物の処理等、通常貸主指定の工事業者に発注するように定められる。
◆ 解約予告期間
一般的な解約予告期間は6ヶ月、12ヶ月(あるいは3ヶ月)前というものが多く、貸主または管理会社などへ書面にて通告するように義務付けられていることがほとんど。契約時に何か月前の解約予告なのかを注意が必要である。
もし、予告期間に満たず途中解約(即時解約)をする場合は、予告期間までの賃料を支払わなくてはならない場合が多い。
この場合は「賃料だけなのか」または「共益費も必要なのか」といった点も注意。
◆ 設備の所有
賃貸物件内の各設備の所有権を確認する。※貸主所有設備の場合は、経年による故障は貸主が修理・交換をするが、前契約者の残置物の場合、こちら修理・交換が必要となる。

5, 退去する施設の契約を解約

移転先がほぼ決まった場合、入居している物件を退去する準備に入ります。
解約予告期間に満たないで退去する場合は、足りない分の賃料・共益費を支払う必要がありますので、現在の契約書をよく調べ、対応してください。(普通は3ヶ月~12ヶ月前に予告が必要です)
また原状回復は工事も必要になりますので、現在の貸主と十分に話し合い、問題のないよう完了する必要があります。

 

6, 新倉庫・新工場への引越し


引越し作業は、複数の業者に見積りを依頼して検討することが重要です。
すべての梱包から引越し先での設置までの業務をすべて委託することもできますが、費用もかかります。
どこまでの範囲を行なうのか明確して見積もりを取ります。

7, 移転に伴う各種届出や書類の準備(以下は一例です)

倉庫・工場の移転、特に法人であれば、複数の届出が必要になります。
特に法務局の管轄が別の市区町村への移動の場合には、同じ会社名では登録出来ない為、商号の調査なども必要です。

法務局

■ 定款の変更
■ 類似商号の調査
■ 商号の仮登録(すべて2週間以内)

税務署 
■ 事業所税・納税地・その他の変更移動届出書を新旧税務署へ(遅滞なく)
■ 給与支払事務所等の移転届出書(1ヶ月以内)

労働基準監督署 
■ 労働保険名称、所在地等変更届・労働保険関係成立届・労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書など(変更日翌日から10日以内)
■ 労働保険事務組合に加入している場合は、組合手続き

地方税務署
■ 事業開始等申告書・登記簿謄本

電話局
電話の移転手続 ・1ヵ月前から受付する。移転先の電話局も忘れないこと。

郵便局
移転ハガキが郵便局においてあるのでこれに必要事項を記入、転居前のオフィスの配達管轄の郵便局に出すことで、一年間転送してもらえる。
その他にも新聞やリース機器契約先、保険会社などにも移転連絡が必要。

印刷物の用意 
封筒やパンフレット、名刺など各種印刷物を前もって準備、住所変更作業などを忘れないようにする。

倉庫・工場 移転マニュアル ① → 倉庫・工場 移転マニュアル ②

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